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アイテム
荷電性薬物と生体膜およびDNAとの相互作用 : 物理化学的手法を用いたモデル的研究
https://tokushima-u.repo.nii.ac.jp/records/2001886
https://tokushima-u.repo.nii.ac.jp/records/20018865223a538-0f5e-401e-a012-7caed0ebdf45
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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LID201206251001.pdf (9.35 MB)
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Item type | 文献 / Documents(1) | |||||||||
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公開日 | 2012-06-25 | |||||||||
アクセス権 | ||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||
出版タイプ | ||||||||||
出版タイプ | NA | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_be7fb7dd8ff6fe43 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | 荷電性薬物と生体膜およびDNAとの相互作用 : 物理化学的手法を用いたモデル的研究 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | カデンセイ ヤクブツ ト セイタイマク オヨビ DNA トノ ソウゴ サヨウ : ブツリ カガクテキ シュホウ オ モチイタ モデルテキ ケンキュウ | |||||||||
言語 | ja-Kana | |||||||||
著者 |
吉川, 祐子
× 吉川, 祐子
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抄録 | ||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||
内容記述 | 薬物が生体系に作用して機能を発現させる場合、その作用形態として、特定の受容体を介した基質特異的な作用と、静電的相互作用や疎水性相互作用に基づく非特異的(non-site-specific)な作用が考えられるが、多くの場合、前者の受容体を想定した相互作用に焦点が置かれている。しかし、麻酔剤やミトコンドリアの脱共役剤、または生体ポリアミンのように生体膜やDNAに非特異的に作用して特異的な薬理活性をもたらす薬物も存在する。この様に、特定の受容体をもたない薬物、特に荷電性薬物で、一見静電的相互作用のみに立脚した作用を示すような化学種がなぜ特異的な薬理作用を示すのかまだ未解決な点も多い。本論文ではこの様な荷電性薬物に注目して、生体高分子系(生体膜とDNA) への作用をモデル系を用いて調べた。 生体膜は主としてリン脂質二重層から成り、非特異的な薬物の膜透過は、膜脂質に由来する疎水部分に薬物がどの程度溶解し易いか、つまり薬物の疎水的な性質に依存している。しかし、生体に作用する多くの薬物が解離基を有し、しかも生理的条件下で解離型(イオン)で存在するにもかかわらず、膜への移行性は主としてその非解離型(中性型) の疎水性(水油二相間における分配係数)から間接的に評価され、解離型の分配機構については不明な点が多い。本研究では、イオンの疎水領域への移行は、主として対イオンと複合体を形成して達成されると考え、水ーオクタノール二相分配系を生体モデル膜として用いて、Methyl Orange (MO)を指標として種々のカチオンとの“イオン対分配機構”を詳細に検討した。最初にアルカリ金属イオン(Na+,K+,Cs+)を用いてイオンの大きさの疎水性相互作用に与える影響を調べたところ、MOとのイオン対形成時に生じる脱水和の程度はCs+が最も大きく、かつオクタノール相へも移行しやすいことが明らかとなった。次に一価のアミノ化合物であるアミノアルカノールとアルキルアミンを用いてアルキル鎖や親水基を導入したときの膜への移行性を比較したところ、アルキル鎖の長い程オクタノール相へ移行しやすく、さらにメチレン基1個当りの疎水領域移行に対する寄与はOH基を有するアミノアルカノールの方が少ないことも明らかになった。さらにイオン対の疎水領域移行に伴い、対イオン間の静電引力が増大し分子の運動の自由度が減少することも示した。 一方、遺伝情報を伝える本体であるDNAへの薬物の作用は、これまで主として一次塩基配列やその情報に基づいて産生されるタンパク質の変化に主眼が置かれ、DNAの高次構造への影響についてはあまり重点が置かれてこなかった。しかし、DNAは生体中でコンパクトに折り畳まれた状態で存在し、その凝縮構造が遺伝子の発現を考える上でも重要であると考えられる。本研究ではDNAの高次構造制御に焦点を当て、荷電性薬物とDNAとの非特異的な相互作用がDNAの高次構造へどのような変化をもたらすのかを、DNA単分子の蛍光顕微鏡による動的な直接観察と電子顕微鏡による微細構造観察から検討した。最初に二価のジアミノアルカンのアルキル鎖長の違いとDNA単分子凝縮能との関連を調べた。これまで低分子カチオンのDNA凝縮剤としては三価以上のものしか凝縮を引き起こさないと考えられてきたが、今回初めて二価のカチオンでもDNAの単分子凝縮を引き起こすことがことが明らかとなり、しかも炭素数がC3とC5のジアミンはC2,C4,C6のものよりDNAに対する凝縮能が高いことも明らかとなった。次に抗癌剤でありかつDNAのインターカレーターでもあるダウノマイシンのDNA凝縮高次構造への影響を調べ、ダウノマイシンが凝縮したDNA分子を引き延ばす作用があることを明らかにした。従来の報告では、既に凝縮したDNAに対してはダウノマイシンのようなインターカレーターは、その高次構造に影響を与えないとされていたが、今回蛍光顕微鏡及び電子顕微鏡による経時的観察から、凝縮DNA分子が引き延ばされている様子が認められた。本方法は、他のDNAに作用する薬物のDNA高次構造への影響を調べる手段としても有用であると考える。 |
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言語 | ja | |||||||||
書誌情報 |
発行日 1996 |
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備考 | ||||||||||
言語 | ja | |||||||||
値 | 画像データは国立国会図書館から提供(2012/3。JPEG2000形式を本学でpdfに変換して公開) | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | jpn | |||||||||
報告番号 | ||||||||||
学位授与番号 | 乙第1524号 | |||||||||
学位記番号 | ||||||||||
言語 | ja | |||||||||
値 | 乙薬第22号 | |||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||
学位授与年月日 | 1996-11-15 | |||||||||
学位名 | ||||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位名 | 博士(薬学) |